江戸から続く伝統ある職人の町セントラルイースト東京エリア。アート&デザインを活かした個性あるカフェやレストランが数多く立ち並びます。山形県の3軒の温泉旅館が共同経営であるカフェ&定食屋「フクモリ」が、馬喰町にオープンしたのは2009年5月。山形の厳選した旬の食材で素材の力を活かした料理を発信するという、当時は新しい風の台頭でした。今では“山形”というワードを中心に人や食材をフクモリという媒体がうまく輪としてつなげています。
豊富なフードメニューはいずれも単品で味わえるのですが、食材に真剣に応えていくためメニューの主役にすえたのは「定食」。契約農家で作り上げた品のある白米と、庄内で育った食材が織り成す優しい食事が日替わりで供されます。
お茶のラインナップは豊富に取り揃えてあります。紅茶はポットで楽しめますが、開店当時から不動の人気メニューは“ほうじチャイ”。山形のほうじ茶とアッサムのバランスがポイントで、甘みとスパイス加減によって違和感ないバランスの良い味に仕上がっています。紅花色をしたコクのあるなめらかプリンにはアールグレイのアロマが似合います。
気取らない笑顔がこぼれる憩いの場所として、フクモリは地域密着型カフェです。
月2回開催する音楽イベントは、街の人々と直接触れあい反応を受け取ることのできる空間として企画され、お店としても大切にしています。
一人でも大勢でも良質の食事が楽しめるカフェとして信頼を得て5年。今年は2店舗目の「フクモリ マーチエキュート神田万世橋店」もオープン。マネージャーの古澤さんは、開店当初からさまざまな新しいムーヴメントを起こしていますので、街の魅力とここフクモリで季節を感じていただけたら嬉しいと話します。優しく語りかけてくるようなメニューを眺めていると、山形の自然や作り手、そして土の匂いが蘇ってくるようです。 |