■Darjeeling
ここ数年間、年の最後のクオリティーシーズンであるオータムナルは品質、生産量ともに減少してきています。特に2019年のシーズンは大多数の茶園でその傾向が顕著でした。その理由は様々な要因が重なったことなのですが、まず11月の乾燥した寒い気候によって新芽の生育が思いのほか遅れたことです。次に10月上旬の宗教行事であるプジャと11月上旬のディワリで約12日間の休日があったためです。
この宗教行事はヒンドゥー暦で決まるので、太陽暦にすると毎年日程が違ってくるわけです。多くの茶園のマネージャー達はこの品質と生産量の減少は天候によるところが多いと言いますが、天候不順は今に始まったことではないわけですから、個人的にはもっと変化に応じた紅茶作りが出来ないものかと感じてしまいます。
オータムナルの特徴は、赤みを帯びた葉の外観と、花のようなフルーティーな風味を備えた赤レンガ色の明るい水色であると思います。そういう意味からすると今回買い付けた中で一番その特徴が顕著なのはシーヨックDJ-204だと思います。マーガレッツホープDJ-615とシンゲルDJ-175も数多くテイスティングした中から選んだ今年の数少ないオータムナルの特徴を持った紅茶です。ぜひ飲み比べて頂きたいと思います。
■Assam
アッサム地方も同じくプジャとディワリの休日と異常気象によって品質、生産量ともに苦戦しました。10月にはオータムナルに必要な降雨がありましたが、11月は品質に良いとされる寒さにはなりませんでした。アッサム北部の一帯では少し気温が低かったため夜露が付き品質が良くなったようです。今回のシロニバリC-960は甘みを感じるとても良い仕上がりと言えます。