★ダージリン
ここ数年ダージリンでは1月から2月にかけて茶葉の生育にはとても良いコンディションが続いています。特に今年は2月に入ってから程良い降雨があり、3月に入ってからも順調に気温が上昇したため茶葉の生育が早く、ほとんどの茶園で今年3月の生産量は昨年に比べて2倍以上となりました。多いところでは3倍もの収穫があったところもありました。このような状況では結果的に量は取れても品質が低くなってしまうことがあります。加えて3月には全く雨が降らなかったため全体的に甘みの少ない渋みの多い紅茶が多くみられました。ティージュには2月中旬頃からファーストフラッシュのサンプルが届き始めました。毎年のことですが、この時期のダージリンは水色とボディーが極端に薄く、どうにも納得のいかないものばかりです。というのもヨーロッパの嗜好がこのように軽いテイストのものに傾いているためで、茶葉の生産工程では発酵をさせないか、しても10分程度置くだけで乾燥させているためです。このヨーロッパの需要が一段落してからようやくボディーのはっきりしたファーストフラッシュが作られていきます。今年ティージュが選んだダージリンは最近安定感抜群のシーヨック、久しぶりのキャッスルトンとゴパルダラです。それぞれ個性の違うこの時期だけの春の香りを是非お楽しみください。
私がダージリンに滞在していた3月31日に、雷鳴と共に大粒の雹が降ってきました。ダージリンの町はまるで雪が降った後のように真っ白になりました。この時期には大変珍しい現象です。
★アッサム
アッサムも今年1月から天候に恵まれ、2月3月と適度な降雨と日照のおかげで3月は昨年より50%ほど収穫量が増えたようです。毎年の事ではあるのですが、ティージュが選ぶサイズの大きいC.T.C.(BPS)はシーズン初めには需要が少なく、ほとんどの茶園ではPFのような細かいC.T.C.を国内需要向けに作っています。C.T.C.を作る時には結果色々なサイズのものが偶発的に出来るわけで、大きいサイズのものは細かく砕かれて出荷されます。今年も3月中旬以降にやっと出てきたサンプルの中から買い付けてきました。今年もドゥームニ茶園のBPSサイズの初物です。是非お楽しみください。