今年のファーストフラッシュは旱魃により深刻な影響を受けたことを前回報告いたしましたが、続くセカンドフラッシュにもその余波は続いています。4月の終わりから5月の初めにかけてようやくダージリンにも恵みの雨が降りました。 平年より10日ほど遅れてセカンドフラッシュのピークシーズンはやってきました。因みにセカンドフラッシュ収穫の時期にファーストフラッシュの収穫が出来なかったある地域ではやっと初摘みが出来たわけです。ダージリンすべての茶園で同時期に3シーズンの異なる茶葉の収穫が出来るというおかしな現象が起きています。 ファーストフラッシュ・インビトゥイン・セカンドフラッシュの3シーズンです。(因みにダージリンでは1年に5回収穫します。セカンドフラッシュのあとは雨季のレインズティーそしてオータムナルと続きます。)ですから、茶園では3種類の茶葉が混じらないように注意深く摘み取り、加工しているようです。 セカンドフラッシュはジャンパナ・グムティー・リッシーハット・プッタボン等の茶園からスタートしました。そして6月10日頃ようやく殆どの茶園からセカンドフラッシュが出揃いました。特に良かったのは今回買い付けたシーヨック・セリンボン等でしたが、全体的に品質の高いロットは少量でした。 アッサム地方は降水量が多く、全体的にボディーの弱い仕上がりとなりました。オーソドックスティーはこの時期特有のゴールデンチップを含んだ茶葉が少なかったようです。 近年セカンドフラッシュのCTCが国内のみならず、海外からの買い付けも増えており価格上昇傾向で、今年はレコードプライスを記録しました。
自然農法を貫く豊かな土壌から作られる風味豊かなオーガニックティーは、安定感のある味わいです。最高の紅茶を育てるといわれる濃霧が覆うロンボン渓谷に面した立地にあり、毎年高品質の紅茶が作られます。 甘い干葡萄のような香りとマスカテルフレーバーを併せ持つ、シーヨックらしい独特な香気を感じます。ふんわりと広がる香りはまろやかというより“軽やか”で、口当たりも滑らかです。環境だけでなく飲み手にもその優しさが伝わる逸品です。
1866年に設立された歴史ある茶園です。現在は、バイオダイナミック製法と呼ばれる有機栽培を行っている茶園としても有名で、その上質な味わいは国・世代を問わず多くの人に愛されています。 有機茶園ならではのまろやかさと、甘く透明感のある香りが特徴です。実際の渋みは、後から来る余韻の中で静かに感じる事ができます。渋みさえも上品な風味に変えている セリンボンならではの充実したセカンドフラッシュです。
ジャンパナ茶園は険しい山間に位置する谷に囲まれた茶園です。中国種の茶樹を大切に育て、きめ細やかな農園管理と高い製造技術をもつこの茶園はダージリンでも屈指の名園です。 フルーティーな香気とエキゾチックな味わいを持つダージリン。 艶やかな茶液から醸し出される甘味は、品が良く優美な口当たり。飲み進めるうちに隠し味程度の渋みと酸味も感じられ、特徴ある味わいが楽しめる夏摘みです。
ドゥアマラ茶園はティンスキア地区の中でもドゥームドーマという非常に肥沃な地域に位置し、この土地で作られる紅茶は芳醇でコクのある味わいです。 年間1000トンのCTC茶と約200トンのオーソドックス茶を生産しています。 華のあるベリーのような甘い香りと、弾力のある力強い味わい。 アッサムらしいしっかりとした飲み応えと、艶やかでまろやかな風味が調和した魅力溢れる紅茶です。ミルクを入れるとより個性が引き立ち、この紅茶の素晴らを感じられます。