成城学園駅前からほど近くに白を基調とした外装の可愛らしいケーキ屋さんがあります。
大きな窓から太陽の光が差し込み、幅広い年齢層のお客様が楽しそうにショーケースをのぞいています。木の大きなテーブルや何気なく置かれているシンガーのミシン台など、品の良いアンティークの調度品がお子様から初老のマダムまでを魅了しているようです。
今や成城の顔というべき老舗の洋菓子店『成城アルプス』。そちらの姉妹店であり、今年で10周年を迎える『プレリアル成城』のケーキはカジュアルで季節感を大切にした心温まるものばかり。
心が温まると感じるのはシェフパティシエでもある太田ご夫妻のお人柄にも現れています。
例えばベビーカーでいらっしゃるお子様連れの方には店内に入る際にインターフォンを鳴らして頂き、スタッフが入店のお手伝いをしてくれます。またご年配の方が来店の際には一緒にケーキを運んだりとその光景だけでもこちらまで優しい気持ちになれます。
写真のケーキは春から初夏におすすめのトロピックバナーヌ。人気のセットメニューにはダージリンとアールグレイを選べます。口に運んだ瞬間からバナナの香りが口いっぱいに広がり、土台とのバランスやさっぱりとした後味はとてもおいしい。
お店で提供するものはすべて自分達が選び、自信のあるものだけを出したいという思いからティージュの紅茶になりましたと笑う太田さん。お店を訪れてくれる大切なお客様のためにも、今後は紅茶についても造詣を深めていきたいとおっしゃいます。
店内はいつも家族や友人と一緒に好きなだけおしゃべりとケーキを楽しみたい人ばかり。
それは伝統を守りながら新しい時代の薫りを織込んだスイーツは、繊細ではあるけれどストイックになり過ぎない素晴らしさがあるという事の証でもあります。 |